バリウム検査と内視鏡検査の違い ~企業健診ではバリウム?~

内視鏡検査(胃カメラ)が普及し、最近の医療施設では胃部X線検査(バリウム検査)はほとんど行われなくなりました。春日部市のクリニックでは50件中0件です。消化器専門医にも、「僕はバリウムなんて撮ったこともないし、読影なんてできないよ」とおっしゃる若手の先生方がいらっしゃいます。

しかし最近企業健診で胃部X線検査の項目が増えたというお話をよく耳にします。

それはどうしてでしょうか?

下記が主な理由です。

  • バリウム検査の方が費用が安価であること
  • 協会けんぽや組合の健診を企業健診として使っていること

協会けんぽの生活習慣病予防健診や健康保険組合の健康診断では、バリウム検査が使用されます。内視鏡検査だと実施できる医師が限られてしまう上に費用も高く、何百人何千人という従業員の検査をするには向かないからです。協会や組合の健診は、企業に実施義務が課せられている法定項目を含むため、企業健診として代替して問題はありません。社保に加入している企業は、通常これらの健診を従業員に受けてもらうことになるのです。

バリウム検査は胃がんの感度70~80%で胃がんの死亡率を下げる検診と言われたりもしますが、感度とは癌を陽性と診断する確率であって、陽性的中率(陽性者が癌である確率)や特異度(癌がないものを陰性と診断する確率)は低いです。

消化器内科の多数の先生は、バリウム検査をやっても結局内視鏡検査で見直しが必要で、見逃しが多い検査であることを知っています。だからバリウム検査をやめちゃったんですよね。

内視鏡検査は直接カメラで粘膜を見ることができるため、特に胃がんの早期発見にはバリウム検査よりも有効と言えると思います。

当院では通年で内視鏡検査を実施しておりますので、いつでもお気軽にご相談ください。

当院ではWebサイトから来院の予約ができます